気象庁は２２日、台風１０号がミクロネシア・マリアナ諸島近海で発生したと発表した。海面水温が３０度前後の海域を勢力を拡大しながら北上し、２７日にも東・西日本に上陸するとみている。同庁は、予想進路の範囲にある近畿、四国、中国を中心に、避難場所の確認や農業施設などの風雨対策を早めに行うよう呼びかけている。

　１０号は２２日正午現在、中心気圧１０００ヘクトパスカル、中心付近の最大風速２０メートル、瞬間最大風速３０メートル。２２日午後、進路を西から北へ変えた。２７日にも東海から四国に上陸する可能性があるとみている。

　一方、米軍合同台風警報センターも２２日、台風１０号が日本を直撃すると予想。２７日にも四国付近から上陸し、中国地方を縦断するとの見通しを示した。

　１０号の予想進路と似た進路をたどった昨年８月の７号は、海面水温が３０度近い海域を北上し、非常に強い勢力で和歌山県潮岬付近から上陸。鳥取県で収穫を目前にした梨の落果など中国、近畿を中心に農業にも深刻な被害が確認され、政府は激甚災害に指定した。