市場調査会社のインテージの調べによると、全国のスーパーやドラッグストアなどでの米の推計売上高は9、10日は共に、前年比2・1倍となった。地震に備えた買い込み需要が活発化したとみられる。中でも東海と近畿地方で伸び幅が大きく、9日は共に3倍近くに伸びた。
「台風7号が非常に強い勢力で関東、東北地方太平洋側に接近する」と注意が発出された前後でも、推計売上高が急伸。15日が2・2倍、16日が同1・9倍となった。こうした中、スーパーなどでは米が不足する事態が多発。大手スーパーチェーンは「入荷があったとしても、夕方には売り切れてしまう」という。
電子商取引(EC)でも米の販売が急拡大した。大手産直サイト「食べチョク」を運営するビビッドガーデンによると、同サイト内での8月(26日まで)の米の取扱高が、前年から約10倍に増えた。同社広報は、「異例の水準」と驚く。
一方で、今後の反動を懸念する見方もある。9月下旬以降、2024年産新米の出回りが本格化するが、「これまでの販売ペースが維持されるかは不透明」(大手小売り)との指摘もある。
