銀座のソニービルの営業終了と合わせて2017年に閉店したソニービル店は、国産の花を都心の消費者にアピールする場だった。創業者の故鈴木昭会長は、生花店ネットワーク・JFTD花キューピットでも副会長や名誉理事として長年、花の消費拡大に尽力した。「フラワーバレンタイン」を銀座から発信し、花の物日に育てた立役者だ。
販促活動で同店をよく訪ねた日本ガーベラ生産者機構の鈴木誠事務局長は「日本一の高級商店街の銀座で売れるPR効果は抜群だった。花屋も産地も一緒に伸びようという昭会長の思いに感謝しかない」と話す。
JFTDの堀切実会長は「花業界のシンボル的な存在で、スズキフロリストがなければ今の花業界はなかった。本当に残念だ」と惜しむ。同店で修業した生花店関係者は多く、「次世代の花屋の力を集めて盛り上げていきたい」と前を向く。
店の運営をしてきた難波重之社長は「私も高齢になり、ここが潮時。皆さんに感謝を伝えながら最後まで営業したい」と話した。

■この記事の「英字版」は こちら