全国402チームの中から、優れた取り組みとして、高校の部21チーム、大学・専門学校の部13チームが全国大会に進出。達成度や独創性などを評価し、農水大臣賞と大臣官房長賞を選んだ。
宮城県農高は、肥料が少ないと養分を求めて根が発達する特性を生かした緩効性肥料を開発した。肥料費の削減や化学肥料の低減につながった。
沖縄高専は、ドローンで作物の生育度を可視化し、土壌分析結果と合わせて人工知能(AI)で分析。地域から排出されるバイオ炭などから堆肥をつくり、地力バランスの改善につなげた。
表彰式には地方大会を突破した高校生・大学生らが出席。農水大臣賞を受賞した宮城県農業高校と沖縄工業高等専門学校、大臣官房長賞を受賞したチームが、化学肥料の低減や堆肥の活用といった環境負荷低減の取り組みを発表した。
受賞チームの学生らは、活動目的や内容、成果など、ポスターを使いながら発表。有識者らが講評し、賞状を贈った。
宮城県農高3年の星碧虎さんは「受賞したことだけでなく、いろんな人に技術を伝えられたことがうれしい。開発した肥料をなるべく早く多くの人に届けたい」と話した。
同校2年の庄子怜未さんは「これまでは研究を頑張ってきたので、今後は取り組みを広げることに力を入れたい」と語った。
沖縄高専5年の久場琉澄さんは「ここまで大きな賞をもらえるとは思っていなかった。今は圃場(ほじょう)2カ所で研究しているが、拡大していきたい」と話した。
同校4年の知念紅葉さんは「この技術をいろんな人に広めたい。商品化も考えていきたい」と語った。
江藤拓農相はビデオメッセージで、みどりの食料システム戦略について、「将来の日本を担う若い世代の皆さんが意義を理解し、実践することが重要。柔軟な発想に期待している」と話した。
大臣官房長賞の受賞チームは次の通り。
▽高校の部=北海道中標津農業高校、茨城県立海洋高校・同県立水戸農業高校、長野県上伊那農業高校、富山県立中央農業高校、大阪府立農芸高校、沖縄県立中部農林高校
▽大学・専門学校の部=北見工業大学、千葉県立農業大学校、神戸学院大学、鹿児島工業高等専門学校
