フェイガ-Jクレ伸長 中干し延長面積17倍に JA支援で
水稲の中干し延長によってガス削減に取り組む農家戸数も、23年の14道府県・60戸から、24年は35都道府県・1200戸に拡大した。この結果、同社の24年のクレジット生成量は二酸化炭素(CO₂)換算で13万5944トン。23年の5778トンから24倍に増えた。
25年は全国5000戸の農家と連携し、30万トンのクレジットの創出を予定する。27年までに、全国の水田の2割に当たる30万ヘクタールで100万トンのクレジットの生成を目指す。
クレジットは企業が、自社の温室効果ガスの排出量削減や、企業の社会的責任(CSR)活動などの目的で購入する。クレジットが取り引きされれば、生産者の所得向上につながる。
このため全農では、24年4月にフェイガーと業務提携。各地のJAに協力を求め、JA職員が農家による中干し延長の測定やデータの記録・申請などを支援する仕組みを広げてきた。
(菅田一英)
[ことば]J-クレジット 温室効果ガス排出削減に取り組む事業者に、国が削減量をクレジットとして認証する制度。農水省によると、水稲中干し延長によるクレジットは、森林系クレジットの取引事例と同水準の1トン当たり1万円で取り引きされた場合、農家は手数料を除いて水田10アール当たり1100~3900円程度の収益が見込める。