乾麺もエコフィードとして広く利用されている。インスタント麺製造工場では割れなどのため乾麺が廃棄され、それらが豚向け飼料として活用されている。インスタント麺は混ぜたりして給餌しやすく、肉質への影響が少ないため人気がある。特にノンフライ麺は栄養バランスが良く、さらに需要が高い。パスタやうどんなどの乾麺も同様に利用されているが、ゆで麺は取り扱いの難しさや日持ちの短さから利用が進んでいない。
さらに、焼き菓子工場でも焼きむらや割れなどによる規格外品が多く発生し、それらが豚向け飼料として利用されている。焼き菓子は豚の嗜好(しこう)性が高く扱いやすいが、脂肪含有量が多いため多給すると豚肉の脂肪が厚くなり、規格から外れるため給与量には制限がある。一方、生クリーム入りの菓子類は取り扱いが難しいため敬遠される傾向がある。
このように、小麦由来の乾燥食品の規格外品は、養豚業界にとって重要なエコフィードとなっており、廃棄物の有効活用と環境負荷軽減に寄与している。

1973年生まれ、名古屋大学卒業後、排水処理メーカーの研究開発部門を経て独立。エコフィードの製造販売流通を手がける。