水稲栽培2カ月で収穫 最大年6回 新品種使い、LED・液肥で水耕栽培 兵庫の企業
システムでは、自社開発した発光ダイオード(LED)システムと独自の液肥配合で、室内での稲の安定栽培ができるという。貨物コンテナやビニールハウスなどの内部に、水耕栽培、LED、空調などを装備した空間での栽培を想定。必要なスペースは1段につき、水耕栽培とLEDシステムを合わせて50センチほどで、棚などを使った多段での栽培が可能だ。無農薬栽培できる。
栽培する「みずのゆめ」は品種登録出願中。草丈15~20センチ、栽培期間2カ月の特性を持ち、省スペースで栽培できる品種。その品種特性から、栽培は基本的に室内を前提としている。収量や食味は、慣行よりも少し劣る面もあるとしながらも、今後の実証で明らかにしていくとする。
同社は、栽培契約できる希望者に同システムを提供し、共同でシステムの完成と社会実装を目指すという。太陽光発電と蓄電池を用い、電力源不要で稼働できるシステムの開発も進める。「気候変動などの有事で水稲栽培が困難になった際に、稲作が可能なシステムの構築を目指している」(同社担当者)とする。
(徳安美沙都)