「支援学校の卒業後の進路」として循環型農業のきのこ栽培を行い、収入もやりがいも高める環境づくりを目指す
株式会社ボーダレス・ジャパン(本社:福岡県福岡市、代表取締役社長:田口 一成、以下「ボーダレス」)は、大阪府豊中市できのこ栽培を通じて障害者雇用を生み出す新規事業「ONE TOYONAKA」を開始したことをお知らせいたします。
本事業は、大阪府豊中市で廃校となった旧野田小学校の空き教室を活用して、きのこ栽培を軸とした循環型農業を行うものです。市内の特別支援学校や就労支援センターなどと連携して就労者を募り、栽培、収穫、出荷作業などの仕事を通じて地域社会とつながり、自分らしく活躍できる職場をつくります。
きのこ栽培には、京都市でコーヒー残渣を使用したきのこ栽培を実施しているRE:ARTHの倉橋 大希氏に技術協力をいただいています。
ONE TOYONAKA 立ち上げの背景
文部科学省の「特別支援教育資料(令和4年)」によると、支援学校の高等部を卒業した後の進路は、就職する割合は約3割で、社会福祉施設等への入所・通所の割合が約6割という現状があります。
社会福祉施設においては、障害福祉サービスを受けながら働くことができる「就労継続支援A型」「就労継続支援B型」を利用することができますが、賃金の面で課題が生まれています。
・就労継続支援A型:雇用契約を結び、基本的には最低賃金額以上の給与が得られる障害福祉サービス
・就労継続支援B型:雇用契約に基づく就労が困難である場合、雇用契約を結ばずに働け、生産活動に対する対価として「工賃」が得られる障害福祉サービス
令和4年度のデータによると、A型の平均工賃は月額81,645円、B型の工賃は月額17,031円となっており、報酬体系における課題も存在しています。
引用:厚生労働省 令和4年度工賃(賃金)の実績について https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001220331.pdf
本事業は、豊中支援学校に通う知的障害の子を持つ保護者の方からの「卒業後の就職先がなかなかない」や「社会人として地元で誇りをもって働ける場をつくりたい」との思いからプロジェクトが始動しました。障害のある人の働き方を一般的な雇用に切り替え、収入もやりがいも高める環境づくりを目指すことを目的としています。
「ONE TOYONAKA」の事業概要
本事業は「きのこ栽培」を軸とした循環型農業を通じて、豊中市のまちの魅力・活性化につながる取り組みを行います。
1, 豊中市の障害者を正規雇用
知的障害を持つ方々が得意を生かして働ける環境を提供し、正規雇用の機会を創出します。地域社会に貢献しているという誇りを持てる仕事づくりを行うとともに、障害への理解や可能性を多くの人に知ってもらう機会をつくります。
本事業は、障害がある人と障害がない人が共に学べる仕組み「インクルーシブ教育」に注力する豊中市と連携し、地域全体で共生社会の推進をしていくことを目指します。
2, 旧野田小学校の空き教室を利用
本事業では、廃校になった旧野田小学校の空き教室を活用します。きのこ栽培に適した環境が整っていることと駅からのアクセスが選定における理由となりました。期間は、跡地の本格利用を開始する令和8年度末までの2年半を予定しています。
3, コーヒー粕を活用したヒラタケや希少性の高いたもぎたけを栽培
きのこ栽培は、複雑な作業がなく、20度前後の空調管理された場所が確保できれば通年収穫が可能という点に着目しました。また、ONE TOYONAKAで栽培するきのこは、コーヒー粕を活用したヒラタケや希少性の高いたもぎたけを採用しています。
栽培においては、コーヒー粕活用の培地製造やきのこ栽培における知見を持つ、RE:ARTHの倉橋氏に技術協力をいただいています。
RE:ARTHのHP:https://www.r-e-arth.com/
・たもぎたけについて
スーパーフードといわれる「たもぎたけ」は、「エルゴチオネイン」が豊富に含まれるきのこです。
<ONE TOYONAKA きのこが購入できる店舗一覧>
・わくわく広場 あべのキューズモール店
大阪府大阪市阿倍野区阿倍野筋1丁目6−1
URL: https://qs-mall.jp/abeno/shop/detail/333
・KUMUオーガニックマーケット
大阪府豊中市緑丘4丁目1 イオンタウン豊中緑丘 1F
HP: https://kumuorganicmarket.jp/
・べジテラスバンビ(毎週水曜日)
〒560-0004 大阪府豊中市少路2丁目7−5
出店情報:https://www.facebook.com/shouta.inui
・いただきますねっと
〒561-0852 大阪府豊中市服部本町1丁目6−7 光久ビル
HP:https://itadakimasunet.com/
商品の詳細、取り扱いに関するお問い合わせはこちらからお願いします。
電話:070-8512-2624(担当宛)
メール:nakao(@をいれてください)borderless-japan.com(担当宛)
4, きのこ栽培後も菌床を捨てずに、カブトムシの餌や堆肥に活用
きのこ栽培後は、廃菌床の利活用も進めています。具体的には、カブトムシの幼虫の餌に使用する検証を進めています。また、育てたカブトムシの糞を堆肥として地域の園芸店や地元農家、家庭菜園をしている方々に提供することも検討しています。
各団体・企業担当者からのコメント
■豊中市 経営戦略課 創造改革係 主事 麻田 寛人氏
豊中市は、学校再編により廃校となった校舎を再開発するまでの間、暫定的にまちの魅力向上・活性化につながる活動の場所として貸付を開始しました。今回の循環型きのこ栽培は、まちの資源や地域住民と連携することで、まちの発展に寄与すると共にSDGSの推進に資するものと考えています。SDGs未来都市の認定を国から受けるとともにインクルーシブ教育を推進する本市において、このような事業がスタートし、成長していくことを期待しています。
■RE:ARTH(リ・アース) 代表 倉橋大希氏
RE:ARTHは「もったいない」を追求し、未活用の資源を循環させ持続可能な社会を実現することを目的としてスタートしました。その主たる取り組みが、コーヒー粕を活用したきのこ栽培です。今回、障害者の雇用創出を目的としてきのこ栽培に取り組まれるボーダレス・ジャパンが、当方の活動に共感してくださり連携が実現しました。この大阪と京都間の連携が、全国に広がり、きのこ産業の未来、そして日本の未来を切り拓いていくと信じています。
■ONE TOYONAKA 代表 中尾英理
「障害のあるなしに関わらず、本人やその親御さんが将来に希望を持てるような事業を作りたい」という思いでこの事業を立ち上げました。この事業を通じて、知的障害のある方々が自分の能力を最大限に発揮できる職場を提供しながら、地域の方々と協力しながら事業を進めてまいります。
また、廃棄物を削減し環境に優しい循環型農業を実現したいと考えています。きのこ栽培の過程や収穫を地域の皆様に体験してもらい、学びの機会も提供していきたいです。スーパーでしか見かけないきのこの生産過程やその栄養についてを認知していくことで、健全な食生活を実践することを地域全体で推進していきます。
今後は、インスタグラムの公式アカウントより情報を発信します。
instagram @one_osaka
https://www.instagram.com/one_osaka/
各団体・企業について
■大阪府豊中市について
豊中市は大阪府の北部に位置し、大阪国際空港をはじめ、鉄道、高速道路などが充実しており、交通利便性が高い都市です。
大阪大学や大阪音楽大学など教育機関も充実しており教育文化都市として評価されています。また、服部緑地など緑豊かな公園や緑地も多く、良好な住環境を有する住宅都市として住みやすく、さらに高い技術を活かしたものづくり企業等が多く存在しており、“住み、働き、学び、憩う”都市としての機能がバランスよく備わった便利で快適な都市です。
参考URL:https://www.city.toyonaka.osaka.jp/joho/keikaku/sdgs_miraitoshi/20200714130914464.html
■RE:ARTHについて https://www.r-e-arth.com/
RE:ARTHは、『見直す』をコンセプトに、資源や地球環境、私たちの生活や未来をもう一度見直し、より良き地球環境を未来に繋げられる取り組みを目的として設立しました。
主な事業内容は地域のコーヒー粕回収のボランティア等と連携をしながら、コーヒー粕を活用したきのこ栽培と販売に取り組んでいます。
■株式会社ボーダレス・ジャパンについて https://www.borderless-japan.com/
社会起業家が集うプラットフォームカンパニーとして2007年3月設立。貧困・環境・教育・地方の過疎化など、様々な社会問題を解決する50以上の事業を世界14ヵ国で展開・2023年度の売上は86億円を超える。社会起業家を次々と生み出すビジネスモデルを評価され、「グッドデザイン賞 ビジネスモデル部門(2019)」「大切にしたい会社大賞・審査員特別賞(2019)」「CSA賞~20代に薦めたい「次世代型人材」創出企業~」を受賞。2023年10月、社会課題解決を次のステージに進めるべく新パーパス「SWITCH to HOPE 社会の課題を、みんなの希望へ変えていく。」を発表。より多くの人が、ともに良い社会を目指すための仕組みづくりを目指す。
会社名:株式会社ボーダレス・ジャパン
所在地:福岡県福岡市中央区天神3-1-1 天神フタタビル4F ソーシャルベンチャーPARK福岡
設 立:2007年3月
代 表:代表取締役社長 田口 一成
事 業:社会問題の解決を目的とした事業展開(ハーブティ事業、革製品事業、クラウドファンディング事業、ソーシャルビジネススクール事業)
企業プレスリリース詳細へ
PR TIMESトップへ