縁の下のキューピット 婚活支援あの手この手
若い世代を中心に未婚化が問題視される中、各地の自治体やJAなどが独自の婚活支援に力を入れ、大都市ではない地方でも成婚数を地道に積み上げている。人工知能(AI)を活用したマッチングや“仲人役”によるサポート、ライトアップした夜の果樹園でのイベント――。工夫を凝らした仕組みや演出で、出会いのきっかけづくりを後押しする。
AIマッチングの茨城 鳥取は“仲人役”が活躍
厚生労働省によると、人口1000人当たりに占める婚姻件数の割合を数値にした「婚姻率」は全国ベースだと4・1(2022年)で前年と同じだったが、7都府県は前年を上回った。東京や政令指定都市のある府県だけでなく茨城、鳥取両県も存在感を示す。
茨城は3・7で、前年から0・1上がった。全国に先駆けて2006年に出会いサポートセンターを設置後、これまでに2717組が成婚。AIが相性の合う相手を探すマッチングシステムや各種イベントで支援する。
県は、今後の課題に「センターに登録する女性会員の増加」(少子化対策課)を挙げ、交流サイト(SNS)などを通じて周知を進めている。
鳥取も前年から0・1上昇の3・7。出会いサポートセンターに置く男女56人の「縁結びナビゲーター(縁ナビ)」が“仲人役”として活躍する。
縁ナビがセンターの会員と対面し、候補を探している時に「会ってみたら」と声をかけるなどして「行動に出るよう後押し」(県子育て王国課)した結果、21年の始動後、20組が成婚した。来年はAIによる候補探しのサポートも導入。縁ナビによる対話とデジタルの両面で支援する。
恋も実る? 幻想リンゴ園 青森・JA十和田おいらせ青年部
【青森・十和田おいらせ】JA十和田おいらせ青年部は十和田市の上明戸農園で、「林檎(りんご)ばもがNight恋は実らせないと」と題した体験型婚活イベントを開いた。「おとぎの国」を連想させるライトアップされた夜の果樹園で、青年部員や組合員家族の男性6人と、県内外の20~40代女性5人が交流を深めた。
参加者は、リンゴ狩りや品種当てクイズ、絵心伝言ゲームや食事をしながら会話に花を咲かせた。参加した20代男性は「日常生活の中では、なかなか出会いがない。きっかけをもらえて良かった」と笑顔を見せた。30代女性は「幻想的な雰囲気で緊張もほぐれ、最後まで楽しむことができた」と喜んでいた。
同青年部がこれまでに開いた婚活イベントでは、結婚に結び付いたカップルもいる。