きょうは国連が定める「国際生物多様性の日」。国の特別天然記念物であるコウノトリとの共生を掲げる兵庫県豊岡市の水田では、代かきする農家の近くでエサを探すコウノトリの姿が見られた。
農家が田植えの準備をする田んぼではエサを求めてコウノトリが飛来した(兵庫県豊岡市で)
同市を含む但馬地域では農家や行政、JAなどが連携し、農薬を減らし化学肥料を使わずに米を作る「コウノトリ育む農法」を実践。冬期湛水や育苗時から有機肥料を使用するなど環境に配慮する。また、休耕田をビオトープとして整備し、コウノトリのエサとなる生物を育む。
JAたじまによると、こうした農法にのっとった水田は約500ヘクタール。とれた米を「コウノトリ育むお米」としてブランド化している。豊岡市の31の小中学校では、2007年から学校給食に減農薬米を使用。16年からは週5日使用している。市は26年までに全量を無農薬で栽培した米へ移行する計画だ。
JAは「これからもコウノトリ育む農法を通して環境に優しい米作りを推進したい」(水田農業振興課)と意気込む。
(山田凌)
エサを捕るコウノトリ(兵庫県豊岡市で)
翼を広げた時の大きさは約2メートルにもなる(兵庫県豊岡市で)
市内には人工巣塔が29カ所ある(兵庫県豊岡市で)
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