新興のブランド米を使ったおにぎり商品の販売が好調だ。平均販売高を前年同期比で5割伸ばした事例もある。キーワードは“差別化”と“手軽さ”。米にこだわっていることを明確に訴求できる上、200円前後と購入しやすい価格で購入できる。人流の活発化する5月、新商品の発表が相次いでいる。
ローソン、ニューデイズでシリーズ化
ローソンは、各地のブランド米を使ったおにぎり「日本おこめぐり」シリーズを展開している。2022年7月に発売した北海道産「ふっくりんこ」のおにぎりをはじめ、山形県産「雪若丸」などを使用。16日には第5弾となる、福井県産「いちほまれ」の商品を発売した。
「日本おこめぐり」シリーズの販売は好調だ。第1、第2弾を販売した22年7~9月の直巻きおにぎりカテゴリーの平均販売高は、前年同期比で5割増。以降も数カ月置きにシリーズ商品を販売し、同3割増を維持するなど、売り上げをけん引している。
好調の理由は手軽さにある。「2~5キロで売られることの多いブランド米を1食から試せるとして、手を伸ばす人が多い」(同社)とみる。炊飯の手間がないことや、200円前後の購入しやすい価格帯もニーズを捉える。
JR駅構内に店舗を構える「NewDays(ニューデイズ)」は、「こだわり黄金(こがね)」シリーズで単一ブランド米を提案。東日本を中心に9日から、宮城県産「だて正夢」を使ったおにぎりを販売している。
こちらも売れ行きが好調だ。「だて正夢」での提案が3回目となる今年は、発売日から1週間の販売個数が前回比2割増を記録している。同社の狙いは新興ブランド米による差別化にある。「目新しさに加え、米の品質にこだわっていることをアピールしやすい」とし、手応えを話す。