<最新>鶏卵価格上昇 鳥インフルで前年比4割高超え 加工筋では液卵活用も
鶏卵の卸売価格は、同病発生で過去最高値となった2023年に次ぐ高値だ。供給に不足感が見られる地域もあり、さらに同病の発生が増えると「過去最高値の水準に並ぶ」(業界団体)との見方も強くなってきた。
小売価格も上昇傾向にある。農水省の食品価格動向調査(1月14~16日)によると、平年を16%上回る。関東のスーパーでは前年比2割高で販売しており、「需要は比較的堅調だが、これ以上価格を上げると販売にも影響が出てくる」と不安を漏らす。
加工筋では、凍結液卵の活用を進めている。品薄高から「エッグショック」と呼ばれた23年は、各メーカーで輸入品の仕入れを強める動きが出ていた。各メーカーは凍結液卵の在庫量を通常よりも積み増しており、「加工用に凍結液卵を使用している」(大手加工メーカー)と話す。農水省はパンなどの食品メーカーに凍結液卵を積極的に活用することを呼びかける。
現状、輸入品の調達で大きな動きはないものの、「供給不足が続けば、調達量増加が視野に入ってくる」(同)とする。
(廣田泉)