夏の平日の昼下がり。猛暑にもかかわらず、小美濃園には、取れたての野菜を求めて途切れることなく客が訪れる。近所に住む60代の女性は「SNSで見つけたのがきっかけ。練馬区には直売所が多いが、売り場がおしゃれで気に入っている」と笑顔を見せる。
住宅地に囲まれる小美濃園では、ブルーベリーやトウモロコシ、サツマイモなど30品目ほどの野菜やブルーベリーを生産する。軽トラを使っての対面販売は、不定期で開催する。園主の小美濃邦弘さん(44)が、父親が始めた軽トラでの引き売りを引き継ぎ、「また来たいと思ってもらえる、楽しい売り場を作りたい」とアレンジした。

軽トラは対面販売専用で、他の用途には使わない。販売が終われば棚は荷台に置いたままにし、倉庫にしまっておく。販売会場の片付けといった手間が省けることも利点に挙げる。
野菜の包装などに貼るロゴマークにも軽トラのイラストを採用してイメージを統一し、同園のブランド化を図っている。(おわり)
(丸山紀子、森市優が担当しました)


農家の必需品ともいえる軽トラ。自らのアイデアで、活用の幅を広げている農家を紹介する。