ナント種苗(奈良県橿原市)は、従来のスイカにはなかった甘酸っぱさが特徴の黄肉大玉スイカ「スイナップル」(仮称)を発表した。「金色羅皇」系統で糖度は14程度、甘味と酸味のバランスが良い。重さは8、9キロ。草勢はやや強く炭疽(たんそ)病に耐性がある。来シーズンに産地で試作に乗り出す。

同社が18日、宇陀市の農場で開いた見学会で披露し、参加したJA職員や種苗店ら125人の注目を集めた。同社育種課の宇野康之課長代理は「個性的なスイカで賛否両論はあるだろう」とした上で、「スイカの新たな価値観を提案したい」と説明した。
試食した参加者からは、味について梨や青リンゴなどとさまざまな比喩表現が聞かれ、投票では「好み」の結果が多かった。「近年のスイカの新品種には甘味が際立った物が乱立する中、さっぱりとしている」「猛暑の時に食べたい」などとの意見が上がった。一方、産地による味のばらつきや酸味の強さを指摘する声もあった。
種が小さいため気にせずに食べられる黒皮小玉スイカや、退緑黄化病に耐性のあるメロンなどの新品種も紹介した。
(木村泰之)