[農畜産物トレンド調査]利益確保へ戦略見直そう 流通経済研究所・折笠俊輔主席研究員に聞く
さまざまなコストが上昇し、農畜産物販売で適正価格の必要性が叫ばれている。問題の本質は「農業経営の利益率をいかに高めるか」だとみている。
価格転嫁は、既存の商品を既存の顧客に売るだけでは実現できない。商品・営業戦略を見直すべきだ。商品では青果物などで選果選別の方法やパッケージなどをうまく変えてみるのも手だ。販売先を変え、自分たちが求める条件で取引してくれる相手を探すことも考えたい。
「6次産業化」という言葉をあまり聞かなくなったが、農家・農村の利益性向上へ改めて取り組む時だろう。生鮮品で価格転嫁が難しければ、加工で付加価値を高めて実現したい。カットするなどの1次加工でも良い。
プラスと捉える要素は「外国人需要」。円安も追い風に多少高くても食べてくれる層だ。「プチぜいたく」ニーズも、国産で価値を高める提案で商機をつかみたい。
(聞き手・宗和知克)