4世帯13人が水稲育苗ハウスに身を寄せる石川県珠洲市若山町広栗。集落ではほとんどの家屋が全壊。生き埋めになった住民もいた。その場から離れたくなくて2日からハウスで避難生活を送る。
ハウスには、壊れた家から畳や布団、机を持ち込んだ。隅にはハクサイやダイコンが植わっている。夜はストーブに加え、布団を重ねてかぶり、寒さをしのぐ。食料や水も支援が届いているという。
住民は「ご近所さんと協力できて心強い」と口をそろえるが、厳しい現実もある。住民の橋本まりかさん(52)は母を亡くした。地震発生日は母の誕生日。家族で祝った直後の出来事だった。
橋本さんは「家も家族もなくなった。電気も電波も風呂もない。いつまで続くのか」と疲れた表情で話した。