3月以降、各地で低温と曇雨天が長期化。暖冬による生育前進の反動もあり、品薄が進んだ。ピークとなった5月中旬の日農平均価格は、平年(過去5年平均)比が2倍超えのキャベツとブロッコリーを筆頭に、ハクサイが7割高、ピーマンが6割高、ダイコンが5割高を付けた。
その結果、野菜14品目の日農平均価格は1キロ206円。巣ごもり需要と長梅雨による品薄が重なった2020年8月以来となる、200円超えを記録した。東京の青果卸は「品目を問わずここまで軒並み高騰するのは異例」と話す。

下旬に入り、後続の作型や産地が増量し、高値は峠を超えつつある。キャベツは「関東、愛知産は次の作型が増量し、軟調な展開」(同)。ハクサイも「気温上昇で遅れを取り戻し、順調に増量」(JA全農長野)し、ダイコンも6月以降、後続の東北産がまとまり端境は解消に向かう。ただ、依然として相場が平年を上回る品目が目立つ。
来週前半は各地で雨天となり、果菜類などは不安定な入荷も想定される。別の卸は「増量を見込み売り込みをかけた途端、品薄で高騰する傾向が続く」とみる。来週は月初の特売需要もあるが、販促は慎重に進める考えだ。
日農平均価格 全国7地区(札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・福岡)の大手卸・計7社のデータを基に、品目別に平均価格、平年価格(過去5年平均)、販売量を算出。全国や各地域の建値の相場指標として示している。