訪日外国人 増えるコト消費 農村誘客に期待
観光庁の調査データを総合すると、23年の訪日外国人1人当たりの旅行支出の平均は21万2764円で、19年の15万8531円から34%も増加。今年も昨年と同水準か上回る勢いで伸びている。
このうち宿泊費や飲食費、テーマパークの入場料などの娯楽サービス費を合計した「コト」消費が、総支出の62%(13万2493円)を占めており、19年の56%(8万8459円)から大幅に増加。一方、ショッピングを中心とした「モノ」消費の割合は、19年に34%(5万3331円)だったのが、23年は26%(5万6098円)と大きく減少した。
「コト」消費は欧米からの訪日客に多く、英国や豪州など9カ国では1人当たりの支出に占める消費額が70%を超えた。これに対し、訪日中国人による「爆買い」が流行語になった15年は、中国客1人当たり支出の6割が買い物代だったが、同年をピークに減少。23年は中国を含むアジアの11カ国・地域でも「コト」消費が59%と最多となった。
こうした流れを受け、北海道十勝地方の19市町村は今冬に「農・食・絶景プレミア体験・オーダーメイドツアー」を開催するなど全国各地で外国人客を誘致するイベントを開催。ただ、インバウンドの半数は三大都市圏のみ滞在しており、海外と地方を直接結ぶ空路の整備も課題だ。