肥料値下げ2期ぶり 全農11~5月 前年比では8・5%髙
高度化成の原料となるリン安は、供給国の中国が輸出規制を緩和したことなどを受け、3~5月にかけて市況が軟調となった。その後、北米やブラジル、インドなどでの需要増で価格が上昇したが、足元では落ち着いて推移している。
単肥では、窒素質の輸入尿素が前期比4・5%下げる。大口需要国のインドの3月の入札が低調だったことで、市況が下落。足元では上昇基調にある。
一方、国産の窒素質肥料は、原材料の価格や電力などの製造コストの上昇を踏まえ、値上げする。国産尿素は同3・4%、硫安は同2・3%、石灰窒素は同2・2%、それぞれ上げる。
リン酸質は、過石が同1・8%、重焼リンが同1・4%下げる。為替相場の円高傾向が影響した。
カリ質では、塩化カリを同7・1%、ケイ酸カリを同1%下げる。塩化カリの供給量が多いロシアとベラルーシから、経済制裁に参加しない国を中心に出回っており、市況は軟調に推移している。
価格の変動率は、県域JAや経済連向けの供給価格に基づく。実際にJAや農家に販売する価格とは一致しない。