同省は、果樹農業の振興を目指す基本方針で栽培面積の目標を定め、おおむね5年ごとに見直している。
20年に策定した直近の基本方針では、人手不足などを考慮して30年度の栽培面積の目標を設定。ブドウを除く13品目は、基準年の18年度から面積が減るか維持すると見込んだ。国内外の需要拡大を見込み、ブドウのみ増加目標を掲げている。
ただ、ミカン、パイナップル、キウイフルーツ以外は、いずれも19~22年に目標を下回り、その後も減少が止まらない。ミカンとキウイフルーツも現在の減少ペースが続けば、30年度までに目標を下回ることになる。担当者は「生産が増大に転じるよう、検討する必要がある」(果樹・茶グループ)と話す。
前年からの減少面積を見ると、ミカンとリンゴが900ヘクタールと最大で、栗が700ヘクタール、梅が400ヘクタールと続いた。一方、パイナップルは主産地の沖縄県でサトウキビからの転換が進み、前年から29ヘクタール(5%)増えた。
同省は、栽培面積の目標を含めた基本方針の見直しに向け、議論を進めている。今年4月に新たな基本方針を公表する見通しだ。
(岸康佑)