乳製品の在庫対策で新事業 Jミルク 全戸が拠出、基金造成 不足時にも発動
新設する基金は指定団体などに生乳を出荷するJA系統出荷者と、系統外に生乳を出荷する生産者など、国内全ての生産者と乳業メーカーから財源拠出ができる仕組みだ。生産者と乳業メーカーの負担は同額で、拠出金単価は検討中とした。拠出した生産者・乳業が事業を活用できる。
従来、同団体が取り組む乳製品の在庫削減対策は、乳製品の在庫が過剰になった場合に、その都度、基金を募っていた。同事業では、乳製品の過剰時に加えて、不足時にも対応するなど、恒久的に対策に取り組むことを新たに盛り込んだ。
脱脂粉乳とバターを対象に、在庫が過剰になった場合は「乳製品在庫削減対策」が発動する。脱脂粉乳を飼料に転用したり、海外へ輸出したりする際に生じる価格差に相当する額を助成するなど対応を示した。発動には国内の在庫が一定の水準を超えると見通された、もしくは超えた場合に発動する。
助成単価は、大口需要者価格から利益等相当分と実販売価格を引いた額とする。
乳製品の不足時には不足する乳製品の生産を促す「計画的増産対策」の発動も検討中とする。
Jミルクは「酪農乳業の持続的な発展に、需給の変動が大きく影響を及ぼす」とし、生産者と乳業メーカーへ、不測時に備えた拠出の協力を呼びかけた。