リンゴ豪雪被害が過去最大206億円 青森県 全国需給に影響懸念
県は同日、復旧支援チームを発足させ、自治体やJAなどと連携し、収量低下を最小限に抑える栽培技術の指導などに努める方針を明らかにした。
調査は県、自治体、JAと合同で4月14~24日に実施。栽培面積100ヘクタール当たり1園地を抽出する手法で計227地点を調べた。
豪雪による農業被害総額は214億8100万円で、このうちリンゴ被害が96%を占めた。リンゴの被害面積は県全体の栽培面積の3割に当たる5887ヘクタールで、最多は弘前市の1954ヘクタール、次いで黒石市(912ヘクタール)、平川市(858ヘクタール)、青森市(763ヘクタール)などとなった。
栽培面積の5割以上が被災したのは、黒石市や平川市、大鰐町など八甲田山系南西麓と岩木山南東麓に集中。この地域は、山の斜面でも定植できる「マルバ栽培」が多く、収量が大幅に低下する樹体の5割以上が損傷した木が多かった。
8日、県庁で記者会見した宮下宗一郎知事は要因について、「雪の降り方と雪質の変化」を指摘。年末年始の雪がこれまでにない湿った重い雪で、枝を横に張り出すマルバ栽培の木に負担が多かった他、雪解けの沈降圧で高まり、枝が大きく下に引っ張られたことが損傷につながったとみている。
一方、農水省は県の要請を受け、改植に伴う果樹未収益期間の幼木の管理経費補助などの生産者支援策を検討している。
(栗田慎一)