冷凍野菜輸入が過去最多 24年度120万トン 国産の品薄響く
24年度の冷凍野菜全体の輸入量(果実的野菜や調整品などを含む)は121万6825トン。輸入量は増加傾向が続いており、10年前の14年度比では33%増だった。
品目別で見ると、輸入量の多いジャガイモが23年度比11%増の43万5105トンとなった。調整品が大きく増え、過去2番目に多い水準となった。過去最多の輸入量となったブロッコリーは中国産とエクアドル産を主体に8万4652トン、ホウレンソウは中国産とミャンマー産を主体に5万8965トン。
冷凍野菜の輸入が増える背景には、需要の高まりがある。ごみが出ず、使いたい分だけ包丁なしで調理できるといった簡便性が評価されている。日本冷凍食品協会は「以前はお弁当商材としての需要が中心だったが、近年は単身世帯などの増加で家庭内調理にも活用されて、販売が伸びている」と分析する。24年度は「国産生鮮野菜の単価高による代替需要もあった」とみる。
農水省によると、冷凍野菜市場は増加傾向にある一方、輸入品の割合が極めて高く、国産は1割にも満たない。同省は「輸入リスクが高まる中で、冷凍を含む加工業務用野菜の実需者からの国産ニーズは高まっている」として、冷凍野菜については加工・貯蔵施設といった産地の基幹施設の整備などを支援する。