株式会社大和コンピューター(大阪本社:大阪府高槻市/東京本社:東京都港区、代表取締役社長:中村 憲司、以下「大和コンピューター」)は、子会社で農業事業を手掛ける株式会社ルーツ(本社:静岡県袋井市、以下「ルーツ」)が開発・製造した、LEDを用いて病害虫のコナジラミ(※)を誘引し捕獲・駆除する機器『ピカとる』を、2025年6月から販売開始しました。
『ピカとる』は、従来の農薬散布や物理的捕殺だけでは対処が難しく、ビニールハウス内や施設園芸で多大な被害をもたらすコナジラミ問題に、環境負荷を抑えつつ高い効果を発揮できる次世代型ソリューションです。なお、『ピカとる』の実機は、5月28日~30日にグランメッセ熊本で開催された第3回九州農業WEEKにて展示しました。
■『ピカとる』開発の背景と狙い
コナジラミはガラス温室やビニールハウス内で急速に繁殖し、葉の養分を吸汁して作物の生育を阻害するだけでなく、ウイルス病の媒介者となることが知られています。特に施設園芸においては、収穫量・品質の低下、ひいては新規感染被害の拡大による経済的損失が深刻化しており、農薬散布だけでは防除効果が安定しないケースが増えています。
ルーツは、化学農薬に依存せず、かつ安定的にコナジラミを駆除することを目指し、LED誘引技術を活用した捕獲装置の開発に着手。『ピカとる』は、コナジラミを高い確率で誘引・捕獲する仕組みを実現しています。更に、コナジラミを誘引駆除することで、作物の歩留まりを高め、ウイルス病の2次被害を防ぐことが可能になります。なお、本製品開発は、公益財団法人浜松地域イノベーション推進機構フォトンバレーセンターの支援する「A-SAP 産学官金連携イノベーション推進事業」第21期プロジェクトに採択されました。
■『ピカとる』の特徴とメリット
1.高い誘引効果を実現するLED光源と緻密な設計
・コナジラミが特に反応する波長のLEDを使用し、高い誘引効果を発揮します。
・LED配置の最適化および吸引力とスリット幅のバランスを確立しました。
2.簡単に捕獲・廃棄が完了するシンプル設計
・100V電源に繋ぐだけで機器が作動し、LEDに誘引されたコナジラミが捕獲され駆除されます。
・捕獲用のネットは簡単に取り外しでき、そのまま廃棄可能です。
3.農薬散布量の大幅削減
・本製品を利用してハウス内のコナジラミの密度を低くすることにより、従来の薬剤散布と併用することで、年間の農薬使用量を削減。環境負荷低減と作業者の安全性向上に寄与します。
・農薬コストの節約だけでなく、作物の残留農薬リスクも低減し、消費者への安全性が向上します。
(※):コナジラミは全長3mm以下の白い微小昆虫。葉裏に寄生し汁を吸い、被害が進むと、葉緑素が抜け白っぽくなる。繁殖力が強く、薬剤に対する抵抗力もつきやすい。コナジラミが排泄する甘露のついた葉や花の表面にすす病が発生したり、ウイルス病を媒介したりする。作物に深刻な被害を与える重要害虫。
■製品概要
製品名:ピカとる (商標登録中)
特許:コナジラミ誘引装置 (特許出願中)
希望小売価格(税別):オープン価格
発売開始日:2025年6月
販売チャネル:提携販売代理店
主な仕様:
・寸法:幅180×奥行300×高さ1100mm
・重量:6.0kg
・捕獲方式:LED誘引+ファンによる誘引
・設置環境:ビニールハウス内、施設園芸全般
<LED>
・電源:AC100V-240V
・消費電力:12W(LED点灯時)
<ファン>
・電源:AC100V
・消費電力:15W

ピカとる製品外観
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