「低い気温が続く春先に、2、3カ月前倒してナスやピーマンなどを育苗できるため、収穫期間を伸ばせる」。今年も落ち葉などで発酵させた熱で野菜の苗を育てる「踏み込み温床」をハウス内に作った。落ち葉の量は、積載量2トンのトラック3、4台分。。稲わらと木材で作った広さ20平方メートルの枠に落ち葉やカヤ、青草に加え水と米ぬかを足で踏みながら重ねていった。今年の特徴として、農業の活動拠点としている古民家のかやぶき屋根の修繕でいらなくなったカヤを多く使ったため、温床の高さが、去年より10センチほど増えた。「床の容積が増えて温度が安定するので、今年は良い苗ができる」。完成二日後には発酵を始める。1週間すると、床の温度は30度ほどになり、種をまいた育苗ポットや苗箱を置いて保温する。
動画と文=福本卓郎