「桃の実工房」が制作。代表の鴨田徳康さん(70)によると、全国で他にないという。
桃の種は、山形県産の桃を加工する同県寒河江市の缶詰工場から調達。洗って8年ほど乾燥させて使う。金づちで半分に割り、丸のこで幅1・4センチに切りそろえる。接着剤でつなぎ、装飾材にする。これを盆や皿、茶筒に貼り、表面を研磨して仕上げる。種の模様や色の濃淡は一つ一つ異なり、作品が唯一無二になる。
鴨田さんの亡くなった父、貞作さんが1960年に桃の実茶筒を発表。桃の缶詰工場で捨てられる種に着目したという。鴨田さんは「使い込むと色が変わり、艶が出る。変化を楽しんで」と話す。
(鴻田寛之)
■この記事の「英字版」は こちら