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カラムナー性とは、枝が横に広がらず、樹冠がコンパクトで円筒の樹姿になる性質のこと。壁状に仕立てることができるため、高度な剪定(せんてい)技術が不要で、省力化やコスト削減につながるとされる。これまで、同性質を持つ品種は酸味が高く糖度が低いなど、既存の主要品種に匹敵する食味を備えたものがほぼなかった。
収穫期は10月上旬ごろとするが、今年は猛暑で生育が前進。9月下旬に訪れた同機構の研究園地では、既に赤々としたリンゴが実っていた。農家らも見学に訪れ、独特の姿に驚きの声を上げていた。
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リンゴは昭和の終わり頃には既に、担い手不足や栽培面積の減少が危惧されていた。課題克服には省力的な品種の開発が必須とみた同機構は1988年、カナダからカラムナー性の系統を導入。食味を追求するためエース品種「ふじ」と交雑させた。さらにさまざまな品種と掛け、食味などを調査。このうち、早生の「さんさ」に掛け合わせたものを新品種候補に選抜した。玉の色と木の形状を想像させる「紅つるぎ」と名付け、今年6月に発表した。

カラムナー性は、果実と枝をつなぐ柄が短い特徴があり、枝にそのまま果実が実るような姿になる。柄をねじって日光を満遍なく当てる「玉回し」という作業ができず、全面着色はできない。ただ、機械収穫に向くなど、それを補って余りある生産コストの低減が期待できる。
同機構は「着色が厳しく問われる贈答用ではなく、値頃なリンゴとして浸透してほしい」と話す。
品種登録には早くてあと1年ほどかかる予定。普及すれば産地の景色が変わるかもしれない、“未来のリンゴ”だ。

