
全国一の和牛飼養頭数を誇る同県。県と民間業者が切磋琢磨(せっさたくま)して種雄牛を造成し、脂肪交雑などに優れた「鹿児島黒牛」づくりに取り組んできた。
「花形」といわれる第6区総合評価群の種雄牛には、(有)上別府種畜場(鹿屋市)の「安亀忠」が選ばれた。増体と種牛性を兼ね備えた牛で、地元の肝属地区は2大会連続で同区種牛の部で代表の座をつかんだ。毎週、調教指導会を開き、牛の斉一性に磨きをかける。
前回の宮城全共は種牛の部で1位を獲得したが、肉牛と合わせた総合評価ではライバルの宮崎県に首席を譲った。今回は種牛、肉牛ともに1位での“完勝”を目指す。
種牛の部に出る雌子牛4頭のうち2頭は、上別府種畜場が自ら出品する。同社の上別府将さん(44)は「雌牛の区は初挑戦だったが、代表になる自信はあった。それだけの準備をしてきた」と語る。
「安亀忠」を全国区の種雄牛に──。宮城全共後、同社は鹿児島全共に向けた取り組みを始めた。1年前の県共進会で実力を試そうと、母の父が異なる牛を数頭導入。交配の組み合わせや管理方法を吟味した。新型コロナウイルス禍で共進会は中止になったが「この経験が生きた」と話す。
開催県かつ全国一の和牛生産県だけにプレッシャーは大きいが、上別府さんは「良い準備ができているので早く本番に臨みたい」と自信をのぞかせる。
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