
「美津福重」は天草市五和町で生まれた。褐毛和種(あか牛)の産地として知られる熊本県だが、天草地域は黒毛和種の生産に力を注いできた地域だ。
同地域から全共第2区の代表牛に選ばれた「ひまわり」も「美津福重」の子だ。名前を呼ぶと反応し、人になでられるのを好む。
出品する苓北町の高道修二さん(68)は「美津福重」の産子について「気性がおとなしく肥育農家の評判も良い」と話す。
「ひまわり」は2021年8月6日、二度目の種付けで誕生した念願の雌牛だ。全共の出品月齢ぎりぎりの若さだが、鹿児島の民間種雄牛「安福久」を母の父に持ち、発育が良く迫力も遜色ない。
農協で養蚕の営農指導員を務めていた高道さん。養蚕事業の廃止に伴い、妻の実家を継ぐ形で就農した。今は繁殖牛12頭に加え、レタス1・2ヘクタール、水稲1ヘクタールを経営している。
他品目の作業で多忙な高道さんを、地元の天草畜産農協が支える。若手職員が毎日午後4時に訪れ、牛を洗い、立ち姿勢の調教をする。高道さんは「周りの協力があってこそ(出品対策が)できている」と話す。「人牛一体」を信条に、初出場の全共に挑む。
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