
「ふじ」「ジョナゴールド」などリンゴ約1ヘクタールを栽培。自宅脇の園地では、雪の重みでリンゴの木が根から倒れたり、直径30センチほどの枝が折れたりした。農道の除雪が進んでおらず、様子が分からない園地もある。剪定(せんてい)は間に合うのか、不安が募る。
ビニールハウスでホウレンソウを周年栽培する猪股真理子さん(67)は、トラクター後部に付けた除雪機で懸命に雪を飛ばす。年末から1カ月弱で十数回。「35年ほどホウレンソウを栽培しているが、一番多い」と話す。近所では、雪の重みでつぶれたハウスもあるという。
県によると農業被害は21日時点で、施設関係では、パイプハウスが15市町村135棟、農業用倉庫3町4棟、畜産関連施設3市町村4棟の損壊が確認された。枝折れはリンゴが10市町村、桃が1市で発生。積雪のため確認できない園地や施設も多く、被害はさらに膨らむとみられる。
(山口圭一)
雪害対策を支援するため、融雪剤の助成などをするJAの動きも出てきた。
【青森・つがる弘前】JAつがる弘前は21日、雪害対策本部会議を開き、県や管内市町村と被害状況や今後の支援方針など情報を共有した。JAは融雪剤購入費の助成などを検討。雪害防止策で組合員への情報発信も強化する。
【青森・相馬村】弘前市の一部を管内とするJA相馬村は、保有する大型除雪機2台を駆使し、管内の主要な農道6路線を除雪している。特産のリンゴ剪定(せんてい)作業に支障が生じないよう、園地で使う消雪剤入手にも支援。通常より200円安く販売する。
【青森・津軽みらい】JA津軽みらいは、JAが扱う融雪剤代金を300円助成する。積雪量が例年を大きく上回り、雪解けが遅くなる恐れがあるため、リンゴ園地の剪定やパイプハウスでの野菜育苗など、春に適期作業できるよう支援する。