[田植え前線]銀座ビルの屋上で酒造り 白鶴酒造社員らが田植え
屋上の田植えは、日本酒文化の発信を目的に、2007年から始めた。東京支社の地上約30メートルの屋上に、広さ110平方メートルの水田を設け、自社で開発した品種「白鶴錦」を約1700株栽培する。収穫した米で酒を仕込み、数量限定で銀座で販売する。毎年予約して購入するリピーターもいる。
今年初めて参加した新入社員の丹羽杏奈さん(23)は、「苗を均一に植えるのが難しい」と慣れない田植えに奮闘した。プロジェクトのチームリーダーの山田亜由美さんは「若者の日本酒離れや主食用米の高騰から、酒米生産をやめる農家もいると聞き、寂しく思っている。伝統文化である日本酒の魅力を、銀座の屋上から広めていきたい」と話している。 (冨士ひとみ)