農×アートが化学反応 札幌市で資材メーカーが展示会
運営するサングリン太陽園は、全道で農業資材の販売や農薬散布事業などを展開する。北海道の「農」を「知る(know)」多目的空間として、市内にある古い平屋を改装。昨年4月に「Know Gallery(ノウギャラリー)」をオープンした。
「農家人口が減っている状況で、若い人にも農業に関心を持ってもらう契機にしたい」と語る同社の北濱有樹専務。これまで道内のガラス作家の作品展や酪農学園大学の学生が制作した北欧の装飾品「ヒンメリ」の展示会を開いた。「生産者とクリエイターがここで出会うことで6次産業化などの化学反応が起きれば」と期待する。
4月には奈井江町で古道具店を営む土田瞬さん(38)が道内を中心に集めた、開拓時代の農具などの品々を展示・販売した。自身も農業に携わる土田さんは「日々当たり前に畑に行き、当たり前に野菜を収穫する暮らしがもっと広がってほしい」と話す。栽培したホウキモロコシで制作したほうきや地元で取れた稲わらで会場を飾った。
アート展示だけではなく、昨年9月には生産者が対面で野菜を販売するマルシェも開催。新鮮な野菜を求める地域住民から好評だった。北濱専務は「これまで築いた生産者とのネットワークを生かし、生産者と消費者をつなぐことにも力を入れたい」と意気込む。
(小澤伸彬)