基本法関連3法が成立 食料有事には農家に増産指示
3法は、改正基本法で掲げた食料安全保障の確保や生産性向上などへの対応を具体化したもので、一括で審議した。政府は7月以降、5月に成立した改正基本法と合わせて、全国11ブロックで説明会を開く。
困難事態法は、生活上重要な米や小麦などの供給不足の兆候を把握した段階で、首相を長とする対策本部を設置。政府が農家に生産計画の届け出を指示し、応じない場合は20万円以下の罰金を科す。事態の深刻度に応じ、増産の計画変更を指示するが、正当な理由があれば従わなくても罰則の対象にしない。同法案には、立憲民主党など多くの野党が反対した。
農地関連法では、農地の確保へ、農地転用を禁じる農用地区域からまとまった農地を除外する際の要件を厳格化する。農地を所有できる法人の出資規制を緩和する特例も設ける。来年6月までに施行する。
農業者の減少に備え生産性を高めるスマート農業技術活用促進法は、産地ぐるみでの先端技術の導入を支援する。年内にも施行する。
基本法と関連3法の成立を受け、政府は次期食料・農業・農村基本計画の検討に着手。来年の通常国会には、生産費がかさむ農産物などの価格転嫁を促すための法案や、土地改良法の改正案を提出する。