新品種ソラマメ「はるのそら」育成 低温処理いらず省力 鹿児島県農業開発総合センター
ソラマメは開花促進のため、種まき前の低温処理が必要だ。播種箱で催芽後、3度の冷蔵庫に約1カ月保管する必要がある。台風後のまき直し対策として事前に予備の種子の準備なども必要で、負担が大きい。課題解決を求める生産者の声を受け、10年から育成した。
低温処理が不要な「はるのそら」は催芽後に直接種をまけるため、労力は10アール当たり4時間削減できる。肥料や仕立て方などは従来と同じで、商品収量は主力品種「唐比の春」と同程度の10アール当たり約2・5トン。品質低下につながる「染み症」の発生率は「唐比の春」の5・1%から「はるのそら」では2・7%に下がる。
出荷は12月から5月までで、ピークは3、4月ごろ。ソラマメは、春が旬の品目だと印象付けるため「はるのそら」と名づけた。同センターは「省力的に作れる同品種を規模拡大に役立て、日本一の産地維持につなげてほしい」と話す。