<最新>梨花粉自給モデルに 専用園4キロ採取見込む JAいちかわ
園地は、市川市と船橋市の計3カ所で合計約1ヘクタール。離農した農家の園地などを同JAが借り、同JA梨研究部が管理する。3園地合わせて約4キロの純花粉採取を想定し、早ければ来年には花蕾(からい)を採取できるという。
採取した花蕾は同JAの市川経済センターで精製し、管内の農家に販売する予定だが、余剰分は他地域への流通を検討するという。園地は今後も拡大する予定で、同センターの武藤健司センター長は「花粉自給のモデル園地を目指したい」と力を込めた。
4日に報道陣に公開した45アールの園地では、「松島」など144本を植樹した。植樹後は、主幹を切断して切口に殺菌剤を塗り、癒合を促進する作業を行った。
品種は、苗木の手に入りやすさや花粉樹として栽培方法が確立していることなどから「松島」が主力に選ばれた。樹形は2本の主枝を直線状に仕立てる一文字整枝で、作業動線が直線的になり、効率化をはかることができる。同JAの今野博之組合長は「国産花粉を使った純国産の梨ができるようになる」と期待を込めた。
梨の生産量が全国最多の同県で、同JA管内は有数の産地。2023年に主な梨花粉の輸入元である中国で火傷病が確認され、輸入が停止した。県の調査で県内68%の農家が中国産花粉を使用していると分かり、主産地の安定生産をかけた花粉自給が課題になっていた。