ICT機器活用で子牛事故率が低減 分娩のタイミング把握
JAでは、生産基盤の拡大や販売頭数の確保に向けて、19年度から畜産農家にICT機器の提案や推進を行ってきた。管内にある飼養頭数20頭以上の農家30戸のうち、21戸でICT機器を導入している。
そのうちの一つ、由利本荘市の和牛農家、佐々木優さん(32)は7年ほど前、親牛の体温をセンサーで監視して分娩間隔を離れた場所からも把握できる「モバイル牛温恵」を取り入れた。分娩のタイミングを正確に把握することができ、事故率低下につなげている。
また、親牛の首に装着したセンサーで活動情報を収集、発情兆候を通知するシステム「ファームノートカラー」も導入。授精適期を把握し、受胎率向上や分娩間隔の短縮に効果を発揮している。
繁殖和牛を約70頭飼育している佐々木さんは、牛舎を増設した際、ストレスなどで親牛の受胎率が低下し、子牛の事故も相次いだ。当時の教訓も生かし、牛の管理にICT機器をフル活用。「人の目でも分からない牛のデータをいつでも確認でき、本当に助かっている」と話す。
佐々木さんは24年度、子牛生産率76・5%を記録し、31頭以上を販売。JAから優秀生産者の表彰を受けた。