[今更聞けない営農用語](9)和牛全共
「全国和牛能力共進会」の略称。全国から和牛を1カ所に集め、改良の成果や飼養管理技術などを競う国内最大規模の共進会。全国和牛登録協会が主催する。1966年の第1回大会からおおむね5年に1度開かれ、「和牛のオリンピック」とも呼ばれる。次回は第12回大会で、2022年10月に鹿児島県で最終比較審査を開く。
審査は、種雄牛候補の雄牛や繁殖雌牛の姿・体形の良さなどから優秀な子牛を作る能力を評価する「種牛の部」と、枝肉の肉質・肉量などを評価する「肉牛の部」に分かれる。同じ種雄牛から生まれた雌牛の能力と、去勢肥育牛の枝肉成績を総合的に評価する「総合評価群」もある。
大会ごとにテーマを決め、時代に即した改良の方向性を示している。鹿児島全共のテーマは「和牛新時代 地域かがやく和牛力」。象徴的な存在として、枝肉のうま味に関係するとされる「脂肪の質」を評価する出品区を肉牛の部に新設する。特別区で、高校・農業大学校の部も設ける。
和牛全共での優秀な成績はブランド力の向上につながるため、各産地は地域を挙げて出品牛の選抜に臨む。鹿児島全共は過去最多の41道府県が参加し、九つの出品区に計459頭が出品される予定だ。