
同会の作付面積は110人で100ヘクタールと、梨の生産量2位の茨城県で有数の部会だ。国内出荷量は年間約2000トン。07年から梨本来の甘さが売りの「甘熟梨」を地元量販店で販売、16年からは光センサーで糖度を測定する「輝」も高単価で販売する。県オリジナル品種「恵水」も生産。21年産はインターネット販売で400箱(1箱2・5キロ)を10分で完売した。
輸出は13年、出荷量が増え価格が下がる9月の調整弁にアジア向けに開始。21年産は46トンを輸出した。最大の輸出先は、17年に日本産梨の輸入を解禁したベトナム。日本貿易振興機構(ジェトロ)や輸出業者から「大きく伸びる市場」と助言を受け始めた。JA下妻地域営農経済センターの広瀬隼也課長は「同国でのシェアはかなり大きい」とみる。JAが現地のバイヤーと連絡を密に取り、輸出量や価格を需要に応じ決めている。
大部分の会員が同国向け園地を登録。検疫で不合格になると当局から原因の病害虫を聞き取り、防除暦を改善してきた。同連合会の小田部明義会長は「生産者に先進地としての自負が生まれた」と実感する。2、3年前から就農者も増えてきた。現地では韓国産の約3倍の価格だが、「安心安全のイメージで、高値でも食べたいと思ってもらえる」(小田部会長)。
昨年から富士山や東京タワーといった日本を想起させる販促資材を活用。段ボール箱輸送でのロスを抑えようと、2玉入りの保護パックも採用。今年産はパックでの出荷量が前年の20倍に伸びた。こうした取り組みが評価を受け、20年には第49回日本農業賞の大賞を受賞している。(小林千哲)

梨の先進産地の中でも、常に新しい情報を手に入れられるよう心がけている。行政や関係機関とも連絡を密にしつつ、他県に先進的な産地があれば積極的に視察に訪れる。
歴代の会長と同じく、他産地よりも一歩でも二歩でも進んで、先頭を走りたいと思っている。一人でも多く後継者を増やしたい。
概要
会員数=梨などの生産者110人で構成
販売額=10億4000万円(2021年度)
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