ナガイモはJA管内の山形村が主な産地。生産者に配布する原種(種芋)の栽培は、1967年から2022年まで1人の部会員が担ってきた。その部会員の引退を機に、部会全体で原種継承に取り組むことにした。

そこで、部会役員らが訪れたのが松本市にあるエクセラン高校美術科だ。23年度は彫刻・工芸専攻の生徒に、まずは理想形の模刻制作を依頼。種芋を選別する際の見本として残し、次代につなぐのが狙いだった。
役員らは見本となるナガイモを持参。栽培の歴史や出荷までの過程を説明し、特産品ナガイモの継承には、品質の安定が重要だと伝えた。「種芋の形にばらつきがあると品質が安定しない。皆さんの美術の力を貸してほしい」と呼びかけた。
粘土の量を微調整して何度も色を塗り直し、完成にこぎ着けた模刻を見て「再現性がとても高い」と役員ら。完成品の引き渡し式では感心しきりだった。

24年度は、目ぞろえ会で出荷規格を説明するために使う、さまざまな形状を依頼。中村宏部会長は「少し曲がっていたり、平らな面があったりと、形に癖がある。昨年より難しいかもしれないが、作ってもらいたい」と話した。制作を担当する生徒は「昨年、模刻を制作した先輩に負けない良い物を作りたい」と意欲的に語った。説明後は特産の味を知ってもらおうと、“フライドナガイモ”や皮を揚げたもの、とろろなど、さまざまな調理法で振る舞った。
同校では7月下旬の文化祭で展示。10月下旬に、部会の目ぞろえ会でお披露目をする予定だ。

JA産の特徴「先端が短く、真ん中は太く、下部がきれいに丸い」形を再現した。長さ約54センチ、太さ(直径)約5センチ。
竹製の芯に金網を巻き付けて石粉粘土で造形し、麻ひもを金網に結んでナガイモのひげを表現。アクリル絵の具で濃淡をつけた。
JAで広報や日本農業新聞への原稿送稿をしている「JA通信員」が執筆しています。毎回、JAの取り組みを伝える「地域発未来へ」と、管内のお勧めの飲食店を紹介する「地元でうまい店」、電子版有料会員向けの「取材後記」を書いています。タグ「JA通信」から各記事をご覧ください。