中古ハウスの情報集約 遊休資産活用で生産者支援 JA遠州夢咲
バンクには登録する中古ハウスの施設情報(形状、面積、設置年、内部設備)や栽培していた作物、ハウスの外観写真などの情報を掲載。利用希望者はその情報を見て、JAに問い合わせる。問い合わせを受けたJAは中古ハウス所有者に連絡。その後、所有者と希望者が話し合い、双方の条件が合えば、ハウスの建っている土地を含めた賃借や譲渡などの契約をする。
1月に1組目の引き渡しが行われた。菊川市のバラ生産者の八木勇人さん(43)と、同市のイチゴの新規就農者の窪田真也さん(36)だ。
八木さんは、今後の経営を考えてハウスを集約したいとJAに相談し、バンクへの登録を行った。窪田さんは、就農に向けて農地を探していた。バンクに中古ハウスが登録されたと聞き、JAを通して八木さんに連絡。その後、引き渡し条件など両者で合意し、八木さんの27アールのハウスが譲渡され、窪田さんに引き継がれた。
窪田さんは「新設ハウスを検討していたが、タイミングよく中古ハウスの情報を得られ、初期費用を抑えられたのでありがたかった。これから地域に貢献できる農業者に成長したい」と意気込んだ。八木さんは「個人間のやりとりでは難しい話も、バンクを利用することで安心して進められた。地域の農業仲間として一緒に頑張っていきたい」と話した。
営農経済部の松本博則副部長は「今後の農業振興を図る上で担い手の確保は最重要課題。昨今の資材高騰などで一歩を踏み出せないでいる担い手を後押したい」と話した。
バンクは昨年5月に運用を開始。バンクに登録された情報は、JAのホームページで公開している。