人口減少などで青年農業者は、地域で中心的な役割を担っている。青年組織活動の中心は、かつての運動から、経営参画に変わった。エネルギーや力が必要な活動だが、組織があることでさまざまなことへの挑戦や、知見を広げられる。全青協には、組織を維持し、時代に合った青年農業者の場をつくり続けてほしい。
会長に就いていた当時、大きな組織ほど活動内容が伝わりにくいと感じ、ホームページでの情報発信に取り組んだ。全国の青年部員と掲示板でやりとりした他、地元の広報誌で全青協の活動を発信した。消費者団体や他の協同組合組織との会合で、農業の現場を広く知ってもらい、国民的な議論を巻き起こすための活動にも力を入れた。
03年の世界青年農業者大会や、世界貿易機関(WTO)農業交渉などで、フランスやメキシコ、タイなど国内外のさまざまな地域を訪れた。国内外の青年農業者と意見交換することで、地球規模で自分の産地や経営を俯瞰(ふかん)して考える癖が付いた。自分の置かれている環境をマイナスと捉えず、どう生かすか考えることでチャンスに変わる。
(聞き手・岡根史弥)
はら・たくお 1968年、和歌山県田辺市生まれ。同市内で、かんきつ約60種類と梅を2・7ヘクタール栽培。