「ばらのまち」として有名な広島県福山市では、5月に開かれる国際会議「第20回世界バラ会議福山大会2025」に向け、地域一丸となって機運を高めている。JA福山市はバラのエキスで香り付けしたゼリーを企画開発したり、地域住民らが大会を盛り上げる応援宣言をしたりするなど、動きを活発化。大会を好機に国内外へ名産のバラをPRし、一層の知名度向上につなげる。
世界バラ会議は、世界バラ会連合が3年に1度開く。バラの生産者や研究家ら、世界から関係者約700人が一堂に集い、知識の啓発や情報交換などを行う。国内では2006年の大阪大会以来、19年ぶり2回目となる。大会期間は、5月18~24日。
大会のPRに向け、JA福山市は昨年9月にバラゼリーを企画・開発した。300箱(1箱6個入り)を同市へ贈り、今年4月下旬にも贈る予定。JA産直市「FUKUYAMAふくふく市」では、ゼリーをはじめ関連商品をそろえた特設コーナーを設ける。
大会直前の5月17、18日には、市が主催する「福山ばら祭2025」にも協賛し、「JAふれあい祭」をJA本所で開く。管内産直市が地元の新鮮野菜を販売する他、特設ステージで女性部の演芸や地元高校生の書道パフォーマンスを予定。占部浩道組合長は「『ばらのまち福山』を知ってもらうきっかけになれば、うれしい」と話した。
また、世界バラ会議福山大会実行委員会は、地域住民や企業がバラを育てたり関連商品の販売を通じ、大会をPRしたりする「応援宣言」を専用サイトで紹介する。4月25日時点で、3400件を超える宣言が寄せられている。
「応援宣言」に取り組む一人が同市芦田町の江草修さん(76)。庭の6アールで育てる100種類以上のバラでローズガーデンを管理する。宣言では、来訪する人の心和むバラ園にすることで、思いやりや助け合いの心「ローズマインド」の高揚を目指す。
江草さんは、会議と併せて開かれる「Rose Expo」で、福山ばら会主催の切りバラコンテストなどに出品する予定。同会専務も務める江草さんは「世界へ福山のバラをPRできる絶好の機会。多くの人に福山とバラの魅力を知ってもらえるよう大会を成功させたい」と意気込んだ。
