肥料原料3カ月分備蓄 特定重要物資に指定 政府
同日、11分野を指定した政令を閣議決定した。特定国からの調達に依存しており、供給が途絶えた際に日常生活に影響が大きいものとして、肥料原料の他に半導体や重要鉱物、天然ガスなどを指定した。
同物資への指定を受け、今後、備蓄や設備投資など安定供給に向けた取り組みが順次始まる。各分野の所管省庁が、目標や企業への支援内容などを盛り込んだ「安定供給確保取組方針」をまとめて取り組む。農水省は月内に、肥料に関する同方針を決定する。
方針案で同省は、中国に大きく依存するリン安と、ロシア・ベラルーシからの輸入が停滞する塩化カリを備蓄対象にした。
備蓄は肥料のメーカーや販売業者など民間が担う。同省は、2022年度第2次補正予算で備蓄対策に160億円を計上した。基金を創設し、民間が備蓄用に肥料原料の調達量を増やした分の保管費は全額、保管施設の整備費などは3分の2を上限に支援する。
備蓄量の確保は今後5年以内と、一定の期間を設けたことについて同省は、「肥料価格が今後、足元よりも下落し、調達コストが下がる可能性も見据えた」(技術普及課)としている。
備蓄に取り組む民間は、同省の方針を基に「供給確保計画」を作成し、同省の認定を受けると支援を受けられる。申請の開始は来年3月以降となる。