米国産高騰も追い風
Q 輸出はどれくらい伸びているの?
A 農水省によると、23年1~3月の輸出額は19億6003万円、輸出量は7686トンで、ともに前年同期比で37%増えました。
特に好調なのが、米国向けです。金額・数量ともに2倍以上となっています。カナダ向けも同4、5倍に急拡大し、米国産から日本産に切り替える動きがあります。

A 米国などジャポニカ米の主産地が干ばつの影響で、22年産の出回りが激減しているためです。米国農務省によると、22年産の米国の中・短粒種の生産量は146万トンで前年から3割減りました。主産地のカリフォルニア産の減少幅が大きく、同州産の5月の取引価格は平年比で6割程度高くなっています。
Q 現地の店頭価格はどうなっているの?
A 米国では、同国産米の店頭価格も高騰しています。かつては日本産米の方が約2倍と高く、大きな価格差がありました。現在は、円安傾向もあって、価格差が縮小するだけでなく、米国産米が日本産米を上回るケースもあります。米国産米の高騰で日本産米の引き合いが強く、「北米や欧州向けに新たな取引が増えている」(日本の大手米卸)といいます。
Q 今後どういった戦略が必要になるの?
A 小売りが中心となる現地のニーズに即した提案を強めたり、オールジャパンの戦略で中食・外食需要を開拓したりするなど、需要を定着させる取り組みが重要となります。全日本コメ・コメ関連食品輸出促進協議会は、飲食店への提案や、電子商取引(EC)サイトといった小売りでの需要開拓など、現地ニーズに応じた販売提案を進める姿勢です。
カリフォルニア州の23年産の生産量は回復が見込まれていますが、現地の生産コスト高で流通価格がすぐに下がる可能性は低いといいます。価格差の縮小が日本産の好機になっていますが、需要の定着を図る重要性が増しています。
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