「丸北物流拠点」として北九州市中央卸売市場に整備した。鉄骨平屋建てで延べ床面積は7029平方メートル。室温15度の荷さばき場や、5度と2度の2種類の冷蔵庫を備える。工費は約15億円で、一部農水省からの助成を受けた。
関東向けの青果物を集約して大型のトレーラーとフェリーで効率的に輸送することで、トラックドライバーの負担を軽減する。パレットを利用し、積み込みや積み下ろしの負担も減らす。同社の百合野博社長は「輸送の効率化で生産者の支援につなげたい」と話す。
荷物を積んだ大型トレーラーは午後10時に拠点を出発。同市の新門司港から午後11時55分発の東京九州フェリーを使って21時間かけて運ぶ。神奈川県横須賀市の横須賀港に翌日の午後8時45分に着き、そこからトラックで関東の市場に運ぶ。
共同物流拠点の運営は、全農の子会社で物流事業を行う全農物流が担う。竣工式で全農の神林幸宏常務は「物流課題は、産地のJAグループだけでなく行政や関連事業者全体で取り組まなければ解決できない」と、連携の重要性を強調した。
朝から深夜までは共同物流拠点として活用。深夜から朝までは低温や一定の温度で品質を維持して卸売を行える施設に使う。産地からのコールドチェーンを維持した供給体制の整備にも役立てる。