防除法ない火傷病発生
Q そもそも、梨はなぜ花粉が必要なの?
A 通常、花の中で雄しべの花粉が雌しべに付くと受精して実がなりますが、ほとんどの梨は受精しない性質を持ちます。受精には、遺伝子型の異なる他品種の花粉を雌しべに付ける必要があります。そのため、花粉を他から用意して人工的に付ける必要があります。
Q なぜ花粉を輸入しているの?
A 農家自らが花粉を採取する負担は大きく、輸入品を購入した方が省力的だからです。花粉採取は、専用の木(授粉樹)を栽培し、そこから花を一つ一つ手作業で取るか、枝ごと花を取ります。その後も、機械で花粉が入っている雄しべだけ選別するなどの工程があります。近年は温暖化で開花時期の前進や短期化が進み、作業が間に合わないという声もあります。「国産花粉を広域で流通・販売するような業者も経営を成り立たせるのは困難で、現状はない」(梨の研究者)状況です。
Q 中国産の花粉が輸入停止になったのはどうして?
A 火傷病(かしょうびょう)発生が要因です。枝や葉などが火にあぶられたように枯れ、木が枯死する場合もあります。有効な防除方法は未確立で、感染すれば伐採が必要です。日本では未発生ですが、韓国など近隣国を含め世界57カ国で発生しています。同省は7月中旬に、2021年以降、中国でも発生していたとの情報を確認。花粉を介して同病が侵入するリスクがあるとし、8月末に輸入を止めました。

Q 輸入花粉に頼ってきた産地はどうすればいいの?
A 同省は、花粉の自給を呼びかけています。具体的には、花芽の付いた剪定(せんてい)枝をハウスで加温し採取することや、授粉樹からの採取量を増やすことなどを提案しています。こうした個々の農家での対応には限界もあるとみて、地域内で花粉を融通したり、花粉採取に必要な機械を共有したりすることなども提案しています。
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