道路寸断なお障壁 畜産、餌不足懸念続く
県によると、農地は亀裂や液状化が127件、水路は破損や崩壊が212件、農道は亀裂や陥没が264件で確認。ただ、このうち奥能登地域の被害は、農地と水路がそれぞれ1件ずつにとどまる。農道に至っては一件も含まれていない。
今回の地震では農地や水路の損傷で、米の作付けにどれだけ影響が出るか懸念されている。県は「奥能登地域でも相当な被害があると思うが、道路の寸断などで調査が進んでいない」(企画調整室)とする。
県内では他に、ため池で238件、揚水機で65件の被害が確認されている。JAのライスセンターや集出荷場、倉庫など、共同利用施設でも106件の被害が見つかっている。
畜産関係では、道路の寸断で孤立していた農場2戸に30日に徒歩で入れるようになったため、被害の全容がつかめるようになった。県によると、断水が33戸で続く他、施設の損壊が46戸で見つかっており、うち5戸で家畜の死亡やけがが確認されている。発電機を持ち込むなどして、全ての農家で電気を確保できているという。
また、農場につながる道路の損傷が19戸で確認されている。大型車が通れないため、飼料を十分に確保できない農家もいる。県酪農業協同組合によると、県内の酪農家31戸のうち、13戸が地震で集乳を中断し、うち8戸が再開できていない。
畜産では、断水や停電による水不足や、道路の寸断による餌不足が懸念されている。
農水省によると、農地・農業用施設の被害は31日午後2時現在で、新潟308件、富山2107件、石川1170件、福井55件、長野13件、岐阜3件が確認されている。