
アンケートは「農家の特報班」のLINEで参加を募り、1~7日の間に101人が回答した。
トップとなった肉のうち、牛肉は18票。全体の6割を占めた。地元愛をにじませる回答が目立ち、茨城県の自営業30代男性は「地元特産品だから」という理由で「常陸牛」を贈ると回答。「仙台牛」「宮崎牛」を挙げる人もいた。
埼玉県の会社員の60代男性は「100グラム1000円くらいの牛肉」と高級感を追求。「日頃の感謝の心」を込めて贈るとした。
2位の花のうち、カーネーションは11票。全体の4割弱を占めた。「子どもの頃から毎年送っている」と埼玉県の専業主婦の40代。カーネーションを含め、花束だけでなく鉢植えの花を挙げる人も一定にいて、静岡県の専業農家の40代男性は「長く楽しめるから」とした。
3位の果実はイチゴが多かった。「妻がこの世の食べ物の中で一番好き」(宮城県の兼業農家の50代男性)、「母の好物」(長野県の野菜農家の60代女性)と女性ファンの多さが目立った。

おいしい和牛 妻ねぎらいたい
「高級牛肉で妻に感謝」「母が褒めてくれた黒豆の煮豆を用意したい」。「母の日」に何を贈るかを尋ねた本紙「農家の特報班」のアンケートに、母や妻を喜ばせようと思いを巡らせる声が数多く寄せられた。「ありがとう」の言葉とともに贈るそれぞれの珠玉の一品とは--。
「いつもおいしい食事を作ってくれてありがとう」。妻への感謝の気持ちを込めて、栃木県の水稲農家の70代男性が挙げたのは「普段はあまり食べられない高級牛肉やケーキ」。
共に農作業に励む妻をねぎらうためにも「田植えが終わったら、おいしい肉を食べに行きたい。和牛のステーキがいいかな」と話す。
ケーキを加えたのは「よく子どもたちが買ってきて、一緒においしそうに食べているから」。甘い物好きの妻を喜ばせたい気持ちをにじませた。
「父との会話のネタにしてもらいたい」と話す茨城県のパート・アルバイトの30代女性が挙げたのは、「自宅で収穫できる野菜」。手軽に野菜を栽培できるキットなどが販売されている中、両親の仲を気遣って話題となる品を選んだ。
今は離れて暮らしていて「なかなか帰ることができない」と、この女性。「野菜を贈ることで、母親への感謝と元気にしているというメッセージになれば」と家族の絆を大切にする。

「今は認知症があって家事をしなくなった母」を持つ北海道の畑作物農家の60代女性は「黒豆の煮豆」を挙げた。「お正月、煮豆を持って行ったら『おいしいね。自分で作ったの?』と褒めてくれた」と打ち明ける。
以前は朝から晩まで働いていたという母。「もう働かなくても良いのだけれど、また『マメに働く』ような母になってほしい」との願いを込める。
「いなりずし」を挙げた島根県の畜産農家の70代女性は「92歳で亡くなった母が大好きだった」と振り返る。
「田植えの合間にみんなで食べられる。母を思い出して、娘たちと今年も食べたい」と亡き母に思いを寄せた。


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