米概算金1・6~1・7万円中心 24年産 主産地上げ幅2~4割
9日に概算金を提示した山形、岩手、青森各県の全農県本部では主力銘柄で60キロ4500円前後上げた。山形「はえぬき」が同1万6500円、岩手「ひとめぼれ」が同1万7000円。生産者概算金の目安額となる青森「まっしぐら」が同1万5000円となった。
需給が締まり、24年産の概算金は大幅な上昇局面を迎えていた。需給の目安となる6月末民間在庫量は156万トンと過去最低水準を記録。先行する早期米産地は、概算金を大きく上げた。鹿児島や宮崎の「コシヒカリ」は同5000~6000円上げ、1万9000円台に設定した。
概算金を上げる動きは主産地にも広がった。新潟の一般「コシヒカリ」は同3100円高の1万7000円、秋田「あきたこまち」が同4700円高の1万6800円。早期出荷分をさらに高く設定する産地や、集荷力強化へ概算金を上積みする動きも出ている。
前年産で上げ幅が小さかった高価格帯銘柄も、24年産で一定に上げた。新潟の魚沼「コシヒカリ」が同2300円高、秋田「サキホコレ」が同4700円高、山形「つや姫」が同3100円高となり、それぞれ60キロ1万9500円で並んだ。
全農や経済連は、24年産米の概算金について「再生産ができ、持続的な稲作に取り組める水準を目指した」と口をそろえる。過熱する24年産の集荷競争も概算金を上げた背景にある。今後、引き上げた米価水準が定着するかが焦点となる。