実証試験は、JA帯広かわにし、帯広畜産大学、ヤンマーアグリ、NECなどでつくるコンソーシアムが総務省の事業を活用して行った。専用アプリを入れたタブレットで1人が操作すれば、運転席には誰もいないロボットトラクター4台が自動で走行する。耕うん砕土、整地、播種(はしゅ)、培土の四つの作業を同時にでき、旋回も自動。人が近づけばセンサーで自動的にトラクターが走行をやめるため、安全面も問題ないという。
従来のWi-Fiでは通信距離が100メートル程度のため、複数台を広範囲で自動走行することは難しかったが、1キロの範囲に電波を飛ばせるWi-Fi機器を用い、実証した。
同大学の佐藤禎稔特任教授は「画期的。作業時間が大幅に短縮でき、オペレーター不足が解消でき、新しい農業が展開できる」と指摘。JAの有塚利宣組合長は「十勝全域に広めたい。デジタルの力を駆使し十勝から食料安全保障を推進していく」と強調した。